『このラーメンは、薬ね』
この言葉が何よりも心に刺さりました。

1人の地元レイヤーさん(アニメ中心のイベントなので。レイヤーとはコスプレイヤーさんの意)が、お母さんを連れて来店。
そのお母さんは「麺は極力少なめにしてね。食べきれないから。」と注文時にお願いされた。
もう、イベント最中は、日の出から日の入りまで大量ハエとメンバー全員で戦い、食事も取れない状況でも集中力を欠く事は出来ない。
だから、お客様の顔を見れるのは、ほんの僅かな時間しかなかった。
でも、みな一様に知っている日本語を駆使しながら「おいしい」「ありがとございました」などと笑顔で伝えてくれていた。

最終日、全てのラーメンを提供し終えて、店舗向かいのベンチで休憩している時のこと。
そのレイヤーのお母さん、イスラム教のムスリマらしくヒジャブ(黒い布を頭からかぶる格好)を纏っていて淑やかな女性でした。
ふと、僕らの方へ歩み寄り、声をかけてくれました。
僕自身、英語のヒヤリングが出来ていないので、何かクレームかなと、内心ヒヤヒヤしていたのですが、最後に伝えてくれた言葉が『Medicine』でした。
なんだろう。

「肩の荷がおりた」
という表現が1番近いようにも思えるけど、言葉には表せない感覚を体に感じた事は鮮明に覚えています。
厨房に立ってしまうと、どうにも出て来てしまう職人気質で、周囲の人に少し嫌な気分にさせてしまった事もありましたが、お許し下さいませ。

言葉に不自由したので、これから更に勉強しなければならないですが、1つ言える事もがあります。
『言葉の壁があっても美味しい料理を本気で作れば笑顔に出来る。国や宗教なども超越して。』
それを体感する事が出来ました。
料理人は、誇り高き職業です。
そして、日本のラーメンは、世界に誇る料理であるという事。
今回の機会を与えて下さった皆様に、心から感謝しております。
ありがとうございました。
わっしょい*\(^o^)/*

麺や七彩 阪田



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